hkmaroのブログ

読書の感想など

七月十日、ホリエモン『すべての教育は「洗脳」である』

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曇り。昼に喫茶店Fでチキン南蛮定食。夜はコンビニのハンバーガーとサラダスパゲティ。夜勉強会に出席。

 

ホリエモンの新書『すべての教育は「洗脳」である』を読む。昔からホリエモンの言っていることは変わらない。人間は好きなことをやって生きればそれで良い。そういうことに尽きる。嫌なことをやる奴はバカ。みんながみんな好きなことをやってればそれで良い。そういうことだ。梅田望夫という人が昔いて、その人が言っていることも概ねこのようなことだった。渡辺浩弐という人も似たようなことを言っていた。ネットの時代には、人間はどんどん好きなことをやれば良い。それをネットで発信しまくればいい。ニートだろうが引きこもりだろうが低学歴だろうが関係ない。ガンガン好きなことをやればいい。それこそが新しい価値を生み出すのだ。

そういう説を信奉した一人のニートが居た。名前をニートスズキという。かつて日本でphaの次くらいに有名だったニートだ。人は本当に好きなことをやっているだけで生きていけるのか。俺はそんなことは虚妄だと思う。そうでなければ詐欺師の甘言だと思う。なんだかんだ言って貯金は大事だし安定した収入は精神の安らぎとなる。世の大多数の人間にとって、フツーの暮らしはフツーに良いものだ。ただし、その人がフツーである限りにおいて。

俺はフツーの人間未満だ。だからホリエモンの言葉に簡単にのせられてしまう。それは本来良くない性質だが、最近それを肯定的に捉えることもできるようになってきた。

実はビジネス書を最近よく読んでいる。ビジネス書はドラッグだ。ビジネス書を書物の枠組みでみるからまともに読む気がしなくなるのだ。ビジネス書はカフェインやアルギニンと同じような合法的な薬物なのだ。酒やコーヒーに対しては月に何万も使うのに、強い覚醒作用をもたらすビジネス書というドラッグに数千円のカネをケチるというのは合理的ではない。ビジネス書は酒とカフェインとともにキメるのが覿面に効く。アニメ(これもドラッグだ)との食い合わせは良くないが、ほんの千から二千円程度のカネで覚醒を買えるのであれば安いものだ。現代社会における消費はもっぱら精神のための消費である。そう考えるならあらゆるものは情報ドラッグなのだ。

ハッキリ言ってビジネス書の著者などは例外なく全員詐欺師だ。ビジネス書とは大前提として真面目に読むものではない。ビジネス書に書いてあることを間に受けて実践しても風車に突撃する初老の男になるだけだ。意識高い系と揶揄されるタイプの人はビジネス書というドラッグの摂取の節度を守れなかった人達だ。

詐欺師の言説は虚言でできている。しかし、虚言は一部に本当のことを混ぜるから効果を発揮する。同様にビジネス書にも一部は本当のことが書かれている。ともすれば本当のことだけを書いたと自称する本よりも多く本当のことを教えているのである。ビジネス書から何かを得ることがあるとすればそこだけだ。詐欺師は必ず嘘をつくが、その嘘のために必ず本当のことも言わなければならないのだ。ビジネス書を摂取する我々は詐欺師の言葉を楽しく鑑賞しつつもそこから本当のことを選り分けて吸収することを心がけねばならない。嘘つきこそ嘘を糊塗せんがだめ多くのことを語るからだ。

ビジネス書に簡単に感化されるということは、これをドラッグとして考えるならば、用量少なくして効果は倍ということである。ビジネス書を好きな意識高い系の言葉で言えば、コスパが良いのだ。フツー未満の人間はドラッグに対しては敏感で、普通よりも大きな効き目を得られる。どんなに普段アパシーを覚えていても、だからこそ情報ドラッグを頭が破裂するくらいまで摂取することができる。しかもビジネス書はそういう落ちこぼれを騙すために書かれているから、効き目は倍増する。クズみたいな暮らしをしてる人間ほどビジネス書には癒されるし、自己啓発されるのである。社会と折り合いがつかない俺にはイノベーターの才能がある。そういうことをビジネス書は言ってくれる。

もちろんそんなことは詐欺以外の何物でもないのだ。だがたとえ詐欺であってもそれが心を上向かせるなら効能はある。体に悪い食い物は心に元気を与えてくれる。ビジネス書とはそのようなものだ。