hkmaroのブログ

読書の感想など

六月十九日 「ヴィジュアルノベルを全世界へ」

六月十九日。昼:中華弁当。夜は台風が来て、びしょぬれになって帰る。アパートの窓から外を眺めて楽しむ。窓開けて叫んだりした。恥ずかしくなったのでやめる。

Fuwanovelという、英語圏の人が日本のエロゲーなどのヴィジュアルノベルを草の根で翻訳したり議論したりしている面白いサイトがあるのだが、ツイッターでこういうのが流れてきた。

http://fuwanovel.com/Fuwanovel__visual-novels-for-the-world.html

あんまり難しくない英文なので、英語が得意でない私のような人間でも頑張れば読める。

要約するに、インターネットの登場以来、知的生産物の複製にはコストがほぼかからなくなった。複製は盗みとは違い、複製元に害を与えるわけではないし、情報(=知的生産物)を欲している人のもとへ実質コストゼロで届けることができるのだから人類の進歩である。大発明である。「精神が盗まれている」などというのは気が狂った考えである。

ところが国家はこれを抑圧しデジタルエイジをアナログエイジに退行させようとしている。食い物がコピーし放題になったら食い物産業以外は反対しないであろうに、これが情報となると抑圧しにかかるのはどうしたことか。

本当に必要なのは作家の創作に対して支払われるカネであり、作品の複製に対して支払われるカネではない。消費者と作家が直接経済関係を結べる仕組みを考えればいいのだ。

というようなことが書いてある。と思う。多分。

まぁこういうのは梅田望夫的な多幸症的ネット観の一種であって、結構よく見かける考え方だが、基本的には私はコレに反対しないどころか賛成であるし、以下の一文を読んで何かこう心に触れるものがあったように感じたので引用すると、

The business model that results from copyright, ensures that 80% of the world’s population cannot access Japanese Visual Novels legally. Can we think of a better way to arrange society, one that doesn’t ration knowledge to the people by their ability to pay?

つまり、複製権(著作権)から帰結するビジネスモデルは世界の80%の人に日本のエロゲーに対して合法的なアクセスを不可能にさせているのであって、こんな社会はおかしい、というわけだ。なぜなら情報のコピーはコスト無しで可能になっているからだ。情報はどんどん人々に無償で行き渡って、それによって社会が発展すべきだからだ。しかし社会を発展させる情報の中にエロゲーが含まれているというのが良い。というよりも、このサイトの人たちの立場から言えばエロゲーこそがあまねく世界に行き渡るべきなのである。Visual-novels-for-the-world なのである。エロゲーがこうした知的活動のパトス的根拠となっていることこそを、日本のオタクである我々は誇りに思うべきだろう。「日本の「萌え」は世界に通じる!」などというクール・ジャポニズム的な思い込みは、こうした活動の前には冷やかし以外の何ものでもない。英語圏のオタクは、彼ら自身でエロゲーを受容する独自の言葉を既に持っている。日本人が権威面をして教導するような局面では既にない。むしろ、日本人が教えてもらう立場であると言ってよいと私は思う。

その後に付け加えられたベルヌ条約の話もイカしている。ベルヌ条約で設定された著作権とは、欧米の植民地とされた国の現地住民に宗主国の知識を与えないように制限をするために作られたのだというようなことが書いてある。そしてでてくるのが、

Piracy IS development. India did not become 11th largest GDP in the world if it weren’t for the Pirating of European knowledge.

という言葉なのだ。私は日本の一オタクとして、こういう言葉が出てくる風土に居る英語圏のオタクをうらやましく感じた。海賊行為こそ発展なのだ。言い換えれば、違法ダウンロードこそが人類の進化を促進するのだ。こういう風に言語を操れず、乞食だの割れ厨だのという言葉しか持たない日本のオタクを哀れにすら思う。西洋のオタクには是非頑張って著作権の仕組みそのものを爆砕していただき、知識の奔流をあまねく世界へ広め、日本のオタクを啓蒙してもらいたい。