hkmaroのブログ

読書の感想など

六月十一日

六月十一日。曇天。昼:生協食堂のタコライス大盛り。腹にたまらず。六分目くらいの満腹度。

早稲田の虹書店で広瀬隆の『赤い楯』ハードカバー版を上下揃い初版で発見したので買った。上下合わせて税込み42円。え? 桁が間違ってんじゃないの? っていう価格。しかも腰巻までついている。虹書店にはなんとも言えない魅力がある。軒先のワゴンセールは、一冊二十円のコーナーと五十円のコーナーがあって、文庫のワゴンはなんか昭和の角川文庫的なエンタメがたくさんあって楽しいし、五十円のワゴンは毛沢東著作集が置いてあるかと思えばネット右翼御用達の基本文献が置いてあったりするし、二十円のワゴンは北朝鮮や韓国や中国を研究した本が積んであったりする。店内も社会主義系の書物が充実していて楽しい。心の滋養を得られる。学生のころはこの店で『青年の環』普及版を全巻揃計262円でゲットしたものだった。いまだに読んでないが、全体小説は生涯かけて取り組みたいテーマの一つである。さすがに42円でビニール袋を貰うのは気が引けたので、オルテガの『大衆の反逆』を買った。945円。古本屋はほんとにいい。久々に古本屋らしい買い物をしたという気がした。郊外の田園風景の中で古本屋を開業するのが夢だが、まず食っていけないだろう。ネットを駆使すればあるいは、という感じだが、そうすると店舗を構える意味がない。実際新所沢にある古本屋も、店番している人はパソコンいじったりヤマトの伝票書いたりに忙しそうだ。都内の古本屋でもアマゾン・ヤフオクがメインのとこは結構多い。

学生時代、虹書店、浅川書店、文英堂の三軒には、何度足を運んだか知れない。最近金峰堂が弁当屋になっていてさびしく思ったが、そういうのも時代の流れなんだろう。電子書籍の衝撃なんかよりも、長い目で見れば、古本屋がネット販売主流になったことのほうが歴史的な意味を持っていると言えるのではないだろうか。田舎の人も古本を気軽に買えるのだから、ネット販売の有益さは計り知れないのだが、しかし都会で古本を買っていた者の感傷としては、古本屋の空気みたいなものに触れる機会がなくなって、ブックオフみたいな店しかないのは、残念ではある。ブックオフはブックオフで好きだけど。