hkmaroのブログ

読書の感想など

デーモン小暮閣下への質問「あの、へヴィメタって、なんですか?」

これ、まあどうでもいいんだけど、速さと激しさを追求したのがハードロックでそこに様式美を足したらメタルになる、らしいが、HR/HM文化に親しんだ者にとって、むしろ様式美はハードロックと堅く結びついている概念で、速さと激しさを追求したのは逆にハードコアと融合したスラッシュメタルであって、つまりメタルのほうだというのが常識である。もちろんメタルだろうがハードロックだろうが、速い曲は速いし激しい曲は激しいし様式美な曲は様式美ではあるが、程度の問題を考えるとここでは説明が転倒している。さすがにデーモン小暮がこういう常識に類する感覚を持っていなかったとは思わないので、これはバカ向けにこしらえた「顕教」なのだろう。バカはバカであるが故に「ヘヴィメタって、なんですか?」などと自分で調べてみようという意欲もなくのたまう。ゆえにこのような間違った知識を授けられる。そしてバカはバカであるがゆえにこの間違った知識も三日で忘れるので、世間的には全く問題がない。まことにデーモン小暮のバカな人間どもを見下した悪魔的所業であることよ。

さらにハイトーンヴォイスについても、「あれだけの轟音で演奏している中で、低い声で歌うとぜんぜん聞こえないんですよ。高くないと声が通らないから、だからヘヴィメタのボーカルはみんな、必然的に高い声で歌うようになったんです」ということらしいが、じゃあデスヴォイスはどうなるんだ。しかも、ロックバンドは皆わざわざマイク通してスピーカーから声出してるんだから、スピーカーの音量を調整すれば足りる話である。それに、ハードロックバンドがブルージーなうるさくない曲でも高い声出してるのはおかしいということになる。私が推測するには、金切り声でシャウトすることにHR/HM的な激しさ・過激さの表れとして文化的価値があり、そしてどんだけ高い声で持続的に歌えるかということがギターの速弾きみたいな感じで「様式」化していったというのが本当のところなんじゃないかと思うのだが、これもデーモン小暮の悪魔的所業の一つだろう。

つまり、これらの説明を聞いて「なんてわかりやすいんだ! 閣下マジでイカす!」などと書き込んだ者は自らのバカ性を露見させているのである。確か大澤信亮が、いたずらに難解なのはダメだけど正しいことがいつもわかりやすいとは限らない、というようなことをどこかで述べていたと思うが、まさに至言だな、と思った。デーモン小暮はおそらく阿川佐和子から質問を受けて、彼女のことを即座にバカ認定したのだろう。こいつはどうしようもないバカであり、正しいけれど理解するのにちょっと努力が要る話をしても理解しないだろうから、かわりにウソでも教えて、ウソ知識でよろこぶバカのバカな顔をでも見て楽しむか、と瞬間的に思ったに違いない。阿川が著作家であったがゆえにこのウソ知識は広まり、こうしてネット上にも広がったわけだが、おかげでこの世にいかにバカが多いかということがよくわかる。

愚昧を前にしては、神々自身の弁ですら空しいのである。