hkmaroのブログ

読書の感想など

日記

六月は所沢の古本祭りの時期だ。古本祭りは三月と六月と九月と十一月にある。非常に楽しい。私にとっては同人誌即売会などよりも百倍楽しい。しかし、今現在は全く金を持っていない。それに部屋に本を置くスペースもない。だが、本屋に行くという行為はそれ自体が価値を持つ。本ではなく、本屋をうろうろするということそれだけで楽しみなのである。この回遊の楽しみと読書の楽しみは独立して扱うべきだ。これはウィンドウショッピングの楽しみと服飾の楽しみが別であることと同じである。本来別々であるこの二つの楽しみを、あたかも一つの楽しみの別々の表れであるかのように錯覚させている媒介項、それが消費の楽しみである。明日古本祭りに行ってみたとして、一円も使わずに帰ってくることはできるだろうか。

ベンヤミン・アンソロジー』(山口裕之訳、河出文庫、2011年)を読んでいる。ベンヤミンを神秘主義者として捉えることは、まあどう考えても正しいのだが、しかし現実にあるものの分析から、現実にないものへの分析へと飛躍するこの文章は、非常に可能性に溢れているように錯覚させられる。つまり、敢えてベンヤミンを神秘主義者ではないという前提のもとで読むととても刺激に満ちた本なんじゃないかという気がする。