hkmaroのブログ

読書の感想など

日記

http://www6.ocn.ne.jp/~pancake/ani01.html

この文章の数字があってるかどうかはともかくとして、彼の言いたいことは要するにアニメは他の産業より圧倒的に多くの金を稼いでいる(輸出)産業であるのにアニメーターは他の産業より圧倒的に冷遇されているからおかしい、というものである。おかしいと思うのであればいつまでもアニメにしがみついていないで仕事としてはこれを辞めるという決断をするのが最も良いだろう。アニメ業界がおかしいと思うのであればプロのアニメーターを辞めればよい。それができずにいつまでも不平不満をたれつつ「プロ」にしがみついているのは一体なんなのだろう。アニメが好きだからどうしようもないのだというのであれば趣味で自主制作アニメを作ればよい。会社でしかできないビッグなプロジェクトに関わりたいのだろうか。それとも一日中とにかくアニメに関する仕事をしていたいのだろうか。後者は上のリンク先の彼も副業を持っているらしいことから推測できるように、アニメーターと言えどアニメを作り続けてなければ死ぬというわけではないらしいからあてはまらないだろう。ビッグな仕事がしたくてしたくてたまらないという「プロ」は、たしかに会社にとどまり続けるしかないだろうが、しかし到底まともな暮らしができない程度の収入しか得られないというのならそんな「ビッグ」な「プロジェクト」の金の流れがおかしいからアニメ業界の仕組みが変わるまで離れて様子を見ていたほうがよいのではないだろうか。もしも革命的で尚且つビッグなプロジェクトが登場しない限り業界の仕組みが変化しないのだというのであれば、残念だがそれはアニメーターをしつつ十分にまともに暮らしていけるだけの何らかの特殊な条件下にある一部のアニメーターに任せるしかないだろう。赤貧にあえぐアニメーターが、業界の体質を糾弾しながらも、それでも見苦しくアニメ業界の「プロ」を自負するという滑稽な構造が、さらにアニメ業界の金の流れをおかしくするであろう。普通に考えて「プロ」たちはいったん示し合わせて業界を去るというようなストライキ的行動を起こして情況を変えようとすべきである、というかこの程度のこともわからないのが所謂アニメーターなのだと言われても仕方がないくらいリンク先の彼の主張は幼稚だ。昔は武道館ライブをやるくらい人気があったバンドも年をとったらバイトをしながら音楽活動をするのが普通だ。だからといって表現創作の仕事ははじめから儲け度外視でやるべきだ、というのではないが、儲けられる時と儲けられないときとがあって、儲けられないときは一旦足を洗うか、続けるにしろ別の仕事をしながら(半ば趣味として)するのが当然良いんじゃないだろうか。

また、それとは別にアニメ産業は日本の現在及び未来を最も大きく担っている、みたいな誇大妄想じみたクールオタク思想はネット右翼的に幼稚で危険だ。海外でのアニメ・マンガ人気は下火になりつつあるという話もあるし、ビジュアル系とエモ系とOTAKUが混同されていただけという話もあるし、ちょっと前までジャパニメーションとしてもてはやされていたのはアニメ・マンガ的幼児性を排除した等身の高いアニメだったのである。アメリカなどで人気だというナルトは日本人による公式のオリエンタリズム(NINJA)とアメリカの根暗な若者にウケのいいエモ系(孤独・仲間・居場所)の融合であり、まことに見苦しい日本の恥だ。また、現在のオタク文化の前衛・基礎を支えているのがアニメやマンガではなくエロゲーとラノベであるということはもはや自明だと思われるが、エロゲーとラノベが外貨を稼いでいるかというと全然である。

しかし自分で書いてて思ったが、何故今エロゲーとラノベがオタク文化の前衛・基礎を担っていると言えるのかと考えると、それはエロゲーとラノベがまず徹底して既存のアニメ及びマンガをパクリ、研究し、類型化したからであろう。その過程はエロゲーとラノベに豊かな土壌を形成させた。例えばラブコメにおける物語展開の抽象的なパターンは、エロゲー及びラノベにおいてアーカイブ化されていつでも呼び出し可能な資源になっている。アニメ・マンガは適宜それらを参照し拝借することができるようになった。オタクの世代を超えた記憶の保管庫としてエロゲー及びラノベは機能している。などといってみるのも誇大妄想じみておりネット右翼的に幼稚で危険だ。