hkmaroのブログ

読書の感想など

彩の国古本まつりに行った

今日は仕事が休みだったので、所沢まで西武線にのって行って来た。そして古本まつりに行った。はじめどこがくすのきホールなのかわからなかったが、暇そうなおじさんおばさんがビルの一階に集まっているのをみかけ、あすこに違いないと思ったら案の定そうだった。駅の裏側、というか、人の少ないサイドのほうにあるビルだった。一階には小規模な古本市が行われており、なんだこの程度のイベントなのかと思いつつも三冊くらい本を買った。その後八階が本会場であることを知った。一階から八階までぶっとびカードするエレベーターにのってたどり着くと、めちゃめちゃ広いホールに古本がぎっしり陳列されていて、さながら同人誌即売会のような風景であった。実際宅配便受付なんかあったりとか、スタッフ(古本屋の主人たち)がせわしげに動いていたりなどしていて、ますます即売会っぽい空気に拍車をかけていた。来ている客は平日の昼間ということもあり、年配の人であるとか、暇な大学人(学生含む)であるとか、主婦であるとか、無職の人であるとかが主な客であった。私と同じように平日昼間に休みがあって、しかも古本が趣味であるという人もいないわけではないだろうが、一般社会人というかサラリーマン層の人は、仕事の合間とか休み時間にちょっと立ち寄ったという風で、文庫とか新書を二三冊抱えているだけだった。対して私やその他の古本オタクたちの本の探し方は違っており、会場においてある買い物かごを取り、「島」の角に買い物かごを置き、その「島」で気に入った本があったらかごの中に入れて、また次の島へ向かう、という循環を延々と繰り返して全会場を移動し続けていた。そのような古本野郎の行動は、即売会で萌えキャラのイラストがでっかくプリントされた紙袋の中に、同人誌をパンパンに詰めてうろつくオタクの行動とまったく相似関係にあると思われた。会場の外にちょっとしたスペースが用意されており、そこでかった本の内容を吟味したり休憩をしたりしている人がいる光景も、まったく即売会と同じだった。果たして古本まつりの運営主体が即売会にヒントをえたのか、それともオタク的な消費への欲望は、どこかでこのような即売会的形式を必然的に呼び出してしまうのであろうか。
八階から見た所沢の景色はまことに良かった。こういう場所に住みたいなあと思わされた。東京ではないけれども、田舎というわけでもない。都市的な不毛さを感じるわけでもなく、村社会的な不自由さに従う必要性があるわけでもない。のんびりしていてのどかだけれども、新奇でおもしろいものにアクセス不可というわけでもない。所沢をいいところだと感じる私の感性がおかしいのかもしれないが、学生時代に所沢を揶揄していた人の気持ちはよくわからない。次回は九月に行われるらしいので、みんなこぞって「参加」するべきだと思う。買ったものを以下に記すことにする。
リスト『Works for Piano & Orchestra』2100円
水村美苗『本格小説 上下』700円
文藝春秋編『大アンケートによる少年少女小説ベスト100』210円
紀田順一郎『古本屋探偵の事件簿』262円(家に帰って、これなんで買ったんだろうと思った)
島田荘司本格ミステリー宣言』200円
マゾッホ『魂を漁る女』500円
すが秀実渡部直己『それでも作家になりたい人のためのブックガイド』210円(こういう本を持っていると恥ずかしいが、安いので買った)
東浩紀『コンテンツの思想』200円
小室直樹『日本人のための憲法原論』315円
世界の名著(中公バックス)『ホッブズ』420円
世界の名著(中公バックス)『コント スペンサー』600円
世界の大思想『ウェーバー』250円
伊坂幸太郎『オーデュポンの祈り』300円
ヘーゲル『歴史哲学講義 上下』650円
福田和也大塚英志『最後の対話』105円(こういう非常に論壇的な本は娯楽で読んでいる)
西武線にのって帰っていると、向かいに座ったお兄ちゃんが思想地図の三号を読んでいてびびった。なので同じ本を電車で開くわけにはいかなくなった。池袋行きに乗り継いだら、またしても向かいに座ったアンちゃんが、これは別の人だけれども、やっぱり思想地図(緑色だったので二号かな)を読んでいたのでビビった。密かに思想地図ブームが起こっているのかもしれない。アンちゃんは江古田で降りていった。今日は江古田で何かあったのだろうか? それとも普通に若者の間で思想地図が流行っているのか。はたまた思想系のサークル(いやオタク系のサークルか)の会合が江古田で行われる予定になっていたのかもしれない。東浩紀のブログによれば売れているらしい。今の時代思想系の本が一万部売れるってのはすごいことなんだろうけれども、やっぱりなんだか「思想地図買いました」と人に言うのは恥ずかしい。というかむしろ、難しい本のはずなのに一万部も売れてしまうからこそ恥ずかしさを感じてしまうのだという気がする。内容もニコ動がどうしたとかMADがどうしたとかかいてあって、少なくとも批評とかに興味のある人からは「ニコ動とかMADについてばっか語りたくて、しかもそれを擁護したいやつが読む本」と思われているだろうからなおのこと恥ずかしい。実際よんでみると、まあそんなこともないはずなのだが、やっぱりニコ動MAD擁護っぽいことも書かれていて恥ずかしい。
ところで今買ったものの額を足してみたら、値段が合わなくてちょっと落ち込んだ。会計やってたおっちゃんが間違ったのか、それとも喫茶店でトイレに行っている間に盗まれたのか。まさか盗まれるなんてことはないだろうから(金になりそうな本は買ってないし)、会計で間違ったのだろう。レジではやっぱりちゃんと間違いがないようにチェックしていないとだめだと思った。おっちゃんかなり適当な計算の仕方をしていたので……。少額ですんだので、勉強代をはらったと言う風におもっとこう。

※追記
高橋和巳邪宗門 上下(講談社文庫)』315円を算入し忘れていました。すいません。やっぱり私が間違っていました。関係者ご一同様にお詫び申し上げます。それにしても邪宗門が315円って安いですよね。これはますます今週の土日は所沢へ行くしかありません。みなさんお誘い合わせの上くすのきホールに殺到されるとよいと思います。